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Who Are You?:NANA FELIXさん(21歳) ミュージシャン

「ンー…えっと…influenceを受けたのが、ビリー・ホリデイとか、エラ・フィッツジェラルドとか、ニーナ・シモンとか、古いアーティストの方が多いんです。でももちろんポストパンクみたいなバンドも好きですヨ」

by VICE Japan; photos by Yohei Miyamoto
29 July 2016, 5:46am

出勤途中、お湯入れたカップうどんを持って歩いているお兄ちゃんがいました。「朝からわんぱくだなぁ」なんて見てたのですが、ここで大事件発見!「あと乗せサクサク」系の天ぷらだったのですが、その「あと乗せサクサク」をフタの上に置いてるじゃないですか! 「あと乗せサクサク」じゃないのが好みだったら問題ありませんが、「あと乗せサクサク」好きだったら、お湯の熱で「あと乗せサクサク」じゃなくなっちゃいますよ! 本当は「あと乗せサクサク」にしたいんだけど、手が埋まっているから「あと乗せサクサク」を持つことができない。じゃ、ポケットに入れたら? いやそれでは、「あと乗せサクサク」が壊れてしまう…。だとしたらお兄ちゃん、相当可哀想です。うーん、この辺は、日清さんも検討すべきではないでしょうか。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

NANA FELIX(なな ふぇりっくす)さん(21歳):ミュージシャン

本日はよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。

インタビュー後に、内容を送らせていただきますので、その際はご確認してくださいね。

ありがとうございます。やはり日本のインタビューはしっかりしていますネ。

そうですか? 普通ですよ。

いえ、この前アメリカのNoiseyもインタビューしてくれたのですが、チェックはありませんでした(笑)。

そうなんですか?

ハイ。そして「Japanese」のスペルも「Japense」になっていました(笑)。載せていただいたので、「ま、いいかー」なんて気持ちになっていますけど(笑)。やっぱり日本はチガイます。全体的に丁寧ですよネ。

う〜ん、バカ丁寧な部分もありますけどね。さて、 曲を聴かせてもらったんですが、ジャズだったり、R&Bだったり、ブルースだったり、それにエレクトロなエッセンスも入っていて、バラエティ豊かですよね。

ありがとうございます。やっぱり、ンー…えっと…influence(影響)を受けたのが、ビリー・ホリデイとか、エラ・フィッツジェラルドとか、ニーナ・シモンとか、古いアーティストの方が多いんです。でももちろんポストパンクみたいなバンドも好きですヨ。influenceは、いっぱいあります。

あと ビデオも拝見しましたよ。あれはどこですか?

ハリウッドのど真ん中にあるんですが、運転していて見つけました。入って「ここはなんですか?」って訊いたら、「レストランです」って。でも映画の撮影でも使ったりしているようで、私もお願いしたら貸してくれました。

お金かかったんじゃないですか?

ぜんぜんっ、かからなかったんですヨ! 1時間のレートで1日貸してくれたんです。

NANAさんが監督もしているんですか?

はい。編集もしました。

スゴイですね! ご出演している方々は?

全員同じ大学の学生です。洋服も友達がデザインしてくれました。卒業も近かったので、最後にみんなでやることができて嬉しかったですネ。

日本っぽいですね セクシーだしー。

花魁とか興味ありますし、あと土屋アンナの『さくらん』とかも好きなんですヨ(笑)。

あと最後に変な日本語入りますよね。あれ、なんですか?「カレーが食べたいぃぃぃぃ〜」ってエコーしてますよ。

ンっと(笑)、なんかアメリカ人って、いつも日本語を使ってるじゃないですか。カニエ・ウェストもそうですが、ビデオとかで…えっと…subtitle(字幕)をデタラメにしてクールにして。あれのジョークの気持ちです。わかりますか?

ちょっとわかんない(笑)。さて、 NANAさんは日本人とアメリカ人のハーフさんですけど、どっちの要素が強いですか?

ンー、そうですネ…。ニューヨーカーだと思います。

ニューヨーカー!! そのこころは?

よく訊かれるんですが、どっちでもないと思います。やはり…ニューヨークなんですヨ(笑)。スイマセン、うまく喋れなくて。

大丈夫ですよ! 可愛いですよ!

ニューヨークは、文化とか色んな人が揃っている街だし、あと生まれ育ったのもニューヨークなので、一番…えっと…relate(つながる)の所がニューヨークなんですネ。

ニューヨークは、そんなにチガイます?

ハイ。アメリカの中でも全然チガイます。ロサンゼルスにも大学で4年間住んでいたんですが、まず運転することが多くて…

おお、具体的ですね。

ずっと車の中にいるから、人との…えっと…relationship(結びつき)が全然チガウんですヨ。ニューヨークでは、街で偶然知り合いと会うこともありますが、ロサンゼルスではありませんでした。

なるほど。

でも一度、ロサンゼルスで運転しているときに、ハイウェイで事故に遭って端っこに停めていたんですが、次の日友達に「見かけたよ」っていわれました(笑)。

アハハ! 偶然会うのも街中とハイウェイじゃ、すごい差ですね。でもアメリカだと後者の方が多いってことですものね。

そうですネ。運転によって、行動がすべて決まってしまいます。飲むこともできませんし…。運転が必要ないニューヨークが当たり前だと思っていました。

じゃあ、ロサンゼルスで飲むときはどうしてたんですか?

泊まるところ探したり…

泊まり込みで飲みに行くの!?

ハイ(笑)。あとは飲まない人を当番制にしたり。

あ、日本でもやってます。「ハンドルキーパー運動」ですね。なんかハンドル君みたいなバッジ付けるんですよ。「今夜は私が飲まない係でーす」って。

そうなんですネ!

あ、バッジは決まりではないですよ。それじゃあ、ロサンゼルスでは飲むのも一苦労でしたね。

ハイ。面倒臭くなって、あまり遊びませんでした(笑)。

生っ粋のニューヨークっ娘のNANAさんですが、お父さんがアメリカの方なんですか?

ハイ。ただ父もイギリス人とロシア人のハーフです。

じゃ、お母さんが日本の方なんですね。お母さんのご出身はどちらですか?

東京です。

東京のどちらですか?

東京の…ワカラナイ。

はい(笑)。

でも、今私は、中野にいます。お兄さんが中野に住んでいます。お兄さんがここで…シュ、シュ、シュショク?

就職かな(笑)? 可愛い!

ハイ、すいません(笑)。就職したんです、お兄さん。ですので、私も日本滞在中は中野にいます。

現在のNANAさんのお住まいはどちらなんですか?

ニューヨークです。

今回は、なんで日本に来たんですか?

あのう、レコーディングなんです。

あらー。それはまたどのようなきっかけで?

プロデューサーさんが東京に住んでいます。

日本人の方なんですか?

いえ、チガイますが、長い間日本で活動をしている人で、AIさんとかSMAPとかもやっている人です。私の大学の先生を通して知り合ったんですが、「日本でレコーディングしようよ」って誘われました。ですので、私は今ココにいるんですよ(笑)。

どれくらい滞在してるんですか?

1ヶ月です。今3曲終わりました。

アルバムを録っているんですか?

いえ、デモです。本当は4曲やるつもりでしたが、私もプロデューサーさんも…えっと…satisfy(満足)なので、もうこれでいいって感じになっています。頑張りました(笑)。

そのデモを使って、いろんなところにプレゼンするんですか?

はい。そのつもりです。プロデューサーさんもお知り合いの方にお渡ししてくれるようで、ちょっと…えっと…plan(計画)があるようですが、私は自分の音楽をつくっているだけなのでよくわかりません(笑)。

スターになっちゃうんじゃないですか?

ウフフ、それはチョット嬉しいですね。仕事が入るのは(笑)。

日本に住んだことはあるんですか?

ずっと一年に一度は来ていますが、住んだことはありません。

でも日本語ペラペラじゃないですか。

お母さんが日本語しか喋ってくれなかったんです。

お母さんは英語が喋れないんですか?

いえ、喋れますけど、私に日本語を覚えさせたかったんでしょう。だから日本語が先でした。英語はあとで大丈夫でしょ、って。でも今は日本語、かなりヘタクソになりました。

超うまいですよ!メールでのやりとりも完璧な日本語でしたしー。ちなみにお母さんからは、どんな日本語教育を受けたか覚えていますか?

日本のテレビですネ。バラエティとか。

例えば?

『SMAP×SMAP』が好きでした。「ビストロSMAP」に出たいですネ!

アハ〜。 誰が一番好きなんですか?

ウーン、慎吾ちゃんがやっぱ一番面白かったかナー。「オイシ〜イ!」とか見たいです(笑)。

でもよかったですね、存続して。今年の頭は大騒動でしたものねー。

ンン? なんですか? まったく知らないです。どうしましたか?

あら、さすがにニューヨークまでは届かなかったかな。SMAP解散騒動があったんですよ。

ウソー!

結局大丈夫だったんですけど、「キムタクVS残り」とか、スマスマで謝罪とか、本当に大変だったんですよ。

ナンダー、ナンデー。

クーデターですよ。今は落ち着いてますけど「9月Xデー」という説もあるんですよ!

ナンデー!!

「ビストロSMAP」、続いて欲しいですね。

そうですネ、本当に。

日本語を先に覚えて、英語はどうしたんですか? お友達との会話で覚えたり?

いえ、なるべく日本人の子を集めて遊んでました(笑)。

あははー。

学校が国連の学校だったんです。「UNIS」っていって、日本でいう中学卒業まで10年くらい通いました。

国連の学校? そんなのニューヨークにあるんですか?

ハイ。国連で働いている人たちの子供が多い学校で、いろんな国の子がいるんですけど、日本人ばかりに囲まれていました。

あら! じゃ、お父さんは国連にお勤めなんですか?

いえ、役者さんです。

え! そうなんですか! もしかして有名人?

昔はちょっと有名だったんですけど…

お父さんのお名前訊いていいですか?

ジェームズ・リマーといいます。

ごめんなさい、存じ上げないのですが…

『セックス・アンド・ザ・シティ』というドラマに出ていました。

ゲゲ!! みんな知ってるヤツじゃないですか! ってことはスターでしょ ! ニューヨークのお住まいもデカイでしょ! ちなみにニューヨークのどちらなんですか?

マンハッタンのミッドタウンです。

わ〜、マンハッタンの住民なんて、ジョン・レノンくらいしか知らないっすよ。

80年代にお父さんがちょっとだけブレイクしたらしいんですネ。そのときに買ったと聞いています。悪役が多いんですけど(笑)。

お父さんとお母さんは、どうやって出会ったのかしら?

えっと、お母さんが友達と一緒にサンフランシスコに行って、そこで遊んでたら、そしたら、えっと、なんでしたっけ…

ナンパ?

ああ、そうです、そうです、ナンパですネ(笑)。一度お母さん断って、そしたらまた偶然会って、とりあえずコーヒーを飲んで、それから離れていたんですが、しばらくしたら今度はニューヨークで偶然会って、さらに同じ友達がいて、「これは運命だー」って結婚したらしいです(笑)。

ロマンチックですねぇ。そんなロマンスから生まれたNANAさんは、なにをして遊んでました? マンハッタンの遊び場なんて想像つかないです。

普通に公園とかありますよ(笑)。小さい頃はそこで遊んでいましたが、やはり育ち方が全然チガウと思います。ンー、成長するのが早いんじゃないかナ。14歳ぐらいでクラブとか行き始めたり、高校でお酒飲んだり…

あちゃー。

調子に乗ってました。18歳ぐらいになると、みんな飽きてしまって…

やり尽くしちゃうってこと?

そうですネ。ですから大学に入ったら落ち着いて、勉強に集中するように。

18歳ったら、日本の子なんかまだまだ悶々としてますよ! 村井さんなんて鏡見て悩んでたんですよ! なのにNANAさんは、もう大人の世界。残酷ですねぇ。

ニューヨークは車が無くてもどこにも行けるし、自分で色々探せますから。一気に育ってしまいますネ。

初めて日本に来たときはどう思いました? ニューヨークとはチガウでしょ?

はい、全然チガイます。ンー、物心ついてから覚えているのは、やっぱり…えっと…diversity(人種などの多様性)が少ないから、「外人だ」っていう目線が気になりました。もちろん一応外人なんですけど、向こう…特にカリフォルニアなどでは、東洋人って見られる。でもニューヨークでは、どうでもいい、ただの人間って感じなんですヨ。友達もみんなチガウ国の子ですし…えっと…language(言語)も色々喋れますから。Yeah。

Yeah。高校は国連の学校ではないんですよね?

ハイ。「ラガーディア・ハイスクール」という高校で…えっと…public school(公立校)なんですけど、音楽とかアートとかダンスとか演劇を勉強する高校なんです。

国連学校やらなんやら、いろんなのがありますねぇ〜、ニューヨークは。

そこではアートを勉強してたんですけど、でもちょっと向いてないなぁってわかったので、一年後にチガウ高校に転校しました。

なんで?

音楽をやりたいなぁって。

ああ、もう音楽好きだったんですね。

ハイ。小さい頃からクラシックピアノをやっていましたし、10歳の頃にアリシア・キーズとかに出会って、自分でもやりたいなぁと思っていたんです。高校ではジャズバンドもやっていました。

じゃあ、高校時代は音楽どっぷり?

ンー、あ、サッカーもやってましたネ。キャプテンでしたヨ。

おー。

あとテニスとか。

おおー。

あと体操も。

ヤリまくりですね!

体動かすのは好きですネ。

どうしてニューヨークを離れて、ロサンゼルスの大学に行こうと思ったんですか?

ンー、やっぱり自分の…えっと…comfort zone(楽チンな場所)を出てみたくなったのと、あとカルアーツ(CalArts:カリフォルニア芸術大学)で、音楽の勉強をしたかったんです。

音楽の勉強って、どんなことをするんですか?

映画のための音楽…フィルム・スコアとかですネ。音楽が入っていない、白黒のアニメに曲をつけたりしました。カルアーツって、アニメーションの教育が有名なんです。ディズニーも大きく関わっていて、ドリームワークスとか、カートゥーンネットワークとかで、学校を出た人がたくさんが働いているんです。

NANAさんもアニメの音楽がつくりたかったんですか?

私はそうでもなくて…えっと…experimental music(実験音楽)とかですね。他のクラスメイトとは、目的がちっとチガイましたけど、でも行って本当に良かったですネ。ちっと新しい学び方とか、考え方を学ぶことができました。

「ちょっと」が「ちっと」になってましたよ。可愛いですね!でもexperimental musicっていっても広いですよね? どんなことをしたんですか?

ンー、私も最初は、なにか「物」とかを使って、変な音楽でもつくるのかなって思っていたんです。でもジョン・ケージがピアノに座ってなにもしない、とかあるじゃないですか。そういう演奏の勉強だったんです。例えば、93年のスーパーボウルでのマイケル・ジャクソンとか。あのときマイケルはなにもしなかった。動かないで1分とか立ってただけじゃないですか。そのパフォーマンスこそexperimental musicじゃないかとか。そういうことも習いました。

でもみんなは、アニメとか映画の業界に就職するんですよね? なんでNANAさんはソロ・アーティストの世界へ進んだんですか?

やっぱり自分でパフォーマンスがしたいと思ったんです。

NANA FELIXとして活動を始めたのはいつからですか?

1年半前です。

あら! まだそんなピチピチ!

ハイ。大学を出たのも2ヶ月前です。

でもライヴもやったり、活動はお盛んですよね?

そうですネ。ライヴはちっとおやすみして、今は曲をつくっていますが。

はい、「ちっと」ですね! 日本でもライヴでしてくださいね。

もちろんです!あ、私のサイトとかSoundCloudで曲が聴けるので、日本のみなさんにも来て欲しいです。InstagramTwitterもやってます。お願いします!

商売上手ですね! さて、何度も日本に来ていたら、いろんな変化を感じるでしょう?

そうですね。最初の話につながるんですが、diversityが増えてきたことですね。来るたびに、チガウ国から来た人が多くなっている気がする。六本木とかすごいですネ。あと、私のお兄さんもそうなんですが、外国人が日本語ペラペラで、こっちで就職もしてますよね。それを一番感じます。

お兄さんはもう日本長いんですか?

2年くらいですね。

お兄さんはどこに就職したんですか?

お兄さんも役者さんなんです。

え! そうなんですか! もしかして親子二代スター?

もうちょっとですけど、今度やる『キングダム』っていう映画にも出ています。

お名前は?

五城健児っていいます。

もう〜スゲエ家族ですね! 石田純一ファミリー越えてますね! では、お兄さんもNANAさんも、これからエンターテイメントの世界で頑張ると。ではこれからの夢とか目標などを教えてください。

ンー、物語を語り続けること…かナ。

まぁ、ステキ。なんですか、それは?

音楽や映像を通して、物語を語ることに…えっと…passion(情熱)があるので、それを続けることが一番です。それを…えっと…foundation(基礎)にして、アートを続けることです。

お父さんとお母さんは応援してくれてます?

やるしかないねって。Yeah。

Yeah。ご両親から助言とかありますか? お父さんはその世界の先輩だし。

食べるものに気をつけなさいと(笑)。体調管理。私にもそう…えっと…project(助言)してますネ。でも私はあんまり気をつけてない(笑)。

食べ盛りですもんね! 日本滞在中は何を食べているんですか?

せっかくのジャパンですから、コンビニのお弁当を。

え〜残念。

いえ、もう本当に最高ですヨ! ニューヨークのセブンイレブンとは、すごい差ですヨ! お弁当とか本当においしいですヨ!

一番好きなの教えてください。

ンーっと……なんだろう? 全部、全部、おいしいので、困ります! なにかありますか?

じゃあ、三角のパックに入った「厚切り焼きベーコン」食べてください。あれは最高ですよ! ビールとね!

ハイ!!

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