1966年のブルンジ共和国建国以前から続く、フツ族とツチ族の諍いは、さまざまな勢力を巻き込む大小の抗争を経て、1993-2005年、12年間に渡る内戦に至った。その内戦は収束したものの、和平プロセスに端を発するフツ族勢力同士の政治的対立により、完全なる和平合意成立は、2008年12月を待たなければならなかった。
平和が続くはずであった、2015年4月、二選を果たし10年の二任期を終えるべきンクルンジザ大統領が、再選をかけ、大統領選再出馬を表明。野党はじめ一般市民を含む反対諸勢力と、政権与党の間に生まれた政治的緊張は武力抗争にエスカレートし、同国内の混乱は解決しないまま、7月24日に同大統領の再選が決定した。
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争点となるンクルンジザ大統領の三選問題だが、政権与党は、2005年から始まった大統領任期一期目は間接選挙により選出、2010年からの二期目が直接選挙、したがって、二期目こそ直接選挙による第一期目の任期であり、三選、と非難される2015年の選挙は二選目である、と解釈している。ブルンジ憲法裁判所も、政権与党の解釈は合憲、との見解を示した。
内戦の記憶が蘇るなか、ブルンジ共和国の混乱はいかなる結末を迎えるのか。ンクルンジザ大統領の現任期は、二期目なのか三期目なのか。憲法の真義が問われる、混迷するブルンジ共和国から連続レポート。
原題:BURUNDI ON THE BRINK: DISPATCH 1 (2015)