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アカデミー賞ノミネートのアニメ作品『アーネストとセレスティーヌ』誕生秘話

第86回アカデミー賞ノミネート作品、アニメーション映画『アーネストとセレスティーヌ』の芸術性と制作秘話について、監督のベンジャミン・レネールに話を聞いた。
15.5.14

クマとネズミの友情物語『アーネストとセレスティーヌ』

ベルギー発の人気絵本、大きなクマと小さなネズミの友情を描いた子供のためのストーリーは、この上もなく愛らしい。この物語を映画化した長編アニメーション作品『アーネストとセレスティーヌ』。2012年にフランスとベルギーで公開された後、数多くの賞を受賞し、第86回アカデミー賞長編アニメーション部門へのノミネート作品としても話題となった。原作者のガブリエル・バンサンが生みだしたキャラクターが絵本を飛び出し、81分間におよぶアニメーションのなかで再表現された。原作とアニメーション版の両方に深く感銘を受け、The Creators Projectは今回、監督に作品の誕生秘話を聞いた。上記の、映画制作に関するドキュメンタリーをぜひ観てほしい。

原作者バンサン、監督レネール、プロデューサー ブルナー

監督のベンジャミン・レネール(Benjamin Renner)は、フランスのアニメ界の大御所 ディディエ・ブルナー(Didier Brunner)に、この世界的に愛されている絵本の監督として指名された。そして、原作の世界観に忠実にアニメーションを制作したいと思った。「この絵本で好きなのは、感情の大きな起伏を、バンサン独自のミニマルなタッチで表現しているところさ。」と、レネールはゆったりと語る。 プロデューサーのディディエ・ブルナーは、過去に、オスカー賞3部門同時ノミネート作『ベルヴィル・ランデブー』などを制作した人物だ。『アーネストとセレスティーヌ』の絵本シリーズが初めて出版された1980年からずっと、この絵本を映画化するというアイデアに魅了されてきた。レネールはこう語ってくれた。「これは、彼(ブルナー)が昔、娘に読んだ絵本なんだ。20年たって夢が実現し、ついにアニメになった。」

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『アーネストとセレスティーヌ』の芸術性

『アーネストとセレスティーヌ 』を他のアニメから際立たせているものは何だろうか。ひとつには、フォレスト・ウィテカー(※1)、ポール・ジアマッティ(※2)、ローレン・バコール(※3)ら、素晴らしいキャスティングの声優陣だ。それに加え、レネールと制作チームによる、全編を「手描きで」制作した精力的な取り組みが、本作を数々の賞の受賞に導いた。アニメーターチームは24時間体勢で働き、フラッシュが搭載されたタブレットを使って各コマの原画をすべて手描きした。バンサン、レネール、ブルナー全員のヴィジョンを実現すべく、映画に「水彩画のようなタッチ」を与えるための特別なソフトが開発された。その結果は、上記のドキュメンタリーで確認してほしい。これを観て、心が温まらない人はいないだろう。 本作はここ日本でも、3月に開催された<東京アニメアワードフェスティバル2014>で上映されたばかりだ。作品の公式Tumblrページでは、手描きアニメーションのメイキングを見ることができる。公式Facebookページもぜひフォローを。最後に、映画からの画像を以下に数点掲載するので、やさしくほのぼのとした世界観をぜひ楽しんでほしい。

画像提供はアーティストによる

脚注:

(※1)フォレスト・ウィテカー:アメリカの俳優。『ラスト・キング・オブ・スコットランド』(2006)で、第79回アカデミー賞主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。

(※2)ポール・ジアマッティ:アメリカの俳優。テレビ映画『John Adams』(2008)でエミー賞主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞。

(※3)ローレン・バコール:アメリカの女優。自伝『ローレン・バコール/私一人』(1979年刊)がベスト・セラーになった。