子供と多摩川に遊びに行ったのですが、どこからか変な音が聞こえてきました。奥の方へ行ってみると、前の佐村河内さんみたいな長髪の人がバイオリンを弾いていました。何を弾いているかはまったくわからなかったのですが、バイオリンケースの横にはヤングマガジンとかジャンプとかマンガが何冊も重ねられていました。ああ、バイオリンの練習が終わったら、今度はマンガタイムなんだなぁ。あのリュックの中にはパンとか果物も入っているんだろうなぁ。佐村河内さんは休日を多摩川で過ごす人だと思います。
日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。
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井出譲(いで じょう)さん(21歳):美容師
ただいま朝の9時です。このコーナーの最朝記録ですよ。
本当ですか?
本当です。朝の9時をご希望っていうのはすごいですね。
申し訳ございません。
いえいえ、まったく問題ないですよ。いつも早起きなんですか?
そうですね。わりと早くから。
美容師さんなんですよね。今日はこれからお仕事ですか?
はい。ただ、今日は朝に雑誌の撮影が入っていたので、それを終えてきました。
えっ! 既に働いてきたんですか?
はい。
何時から働いてたんですか?
6時半からです。
ゲゲッ! で、これ終わったらまたお仕事なんですよね?
はい。店は12時から営業なんですけど、11時くらいに戻ります。
大丈夫ですか? 普通、そんなお忙しい日に、こんなの入れないですよ。
大丈夫です(笑)。嬉しいです。
ありがとうございます。ちなみに雑誌の撮影とかって、よく耳にしますが、どんなことをやっているんですか?
モデルさんとヘアーの撮影ですね。例えばある雑誌から、「今月はこういう企画があるんですけど、お願い出来ないですか?」って感じで依頼が来たりするんです。今日、僕はアシスタントとして入っただけなんですけど。
「髪型特集」みたいなヤツの写真と考えてよろしいのでしょうか?
そうですね。
カットは誰がされるんですか?
依頼を受けた担当がやります。
じゃあ朝イチからカットするんですか? 6時半からチョキチョキ?
だいたい前日くらいに仕込みを終わらせておいて、朝はスタイリングだけで終わるようにしておくんです。
へえ〜。すごいですね。
あとは、その髪の長さのモデルさんを探してお願いすることもあります。その場合、当日に来てもらってスタイリングするだけですね。
お店はどちらにあるんですか?
原宿です。
お店のお名前、訊いていいですか?
はい。「OLTA(オルタ)」っていいます。
カッコイイ名前ですね。どんな意味なんでしょう? オルタネイティヴの「オルタ」? あ、スペル違うか。
(笑)。うちのオーナーがVICEがめっちゃ大好きで、僕が出るっていったらめっちゃテンション上がりまして。
すいません。
OLTAの意味を訊かれたら、「VICEっていう意味です」っていっておけって。
こんなんですいません。で、朝も早く、夜は何時頃までお仕事してるんですか?
店は遅くても21時には閉めるんですけど、そこから作業をして練習をして、大体0時にはなってますね。
疲れてないですか? 大丈夫ですか?
はい。慣れちゃうんですかね。
OLTAに入られてどのくらいですか?
2年目です。
オーナーさんは若い方なんですか?
若いですね。33歳です。
すごいですねー。でも原宿って美容室がめちゃくちゃありません?
そうですね、数え切れないくらいあると思います。「信号機より多い」とか「コンビニの5倍」とかよくいわれますよ。
信号機より多い(笑)! 何軒くらいあるんでしょうねぇ?
どれくらいでしょう? 詳しくはわかりませんが、表参道とかだったら石を投げれば当たると思います。同じビルでも2階、3階が美容室とか。
もともと美容師さんになりたかったんですか?
そうですね。中学くらいから。
ご出身はどちらですか?
生まれたのは埼玉の朝霧あたりなんですけど、小学校5年生のときに千葉の市原ってところに引越しました。木更津のちょっと上ら辺ですね。僕は海沿いの方で、五井っていうところで育ちました。
木更津だと、やっぱり氣志團とか「木更津キャッツアイ」とかイメージしちゃうんですけど、市原はどんな街なんですか?
そうですね、そのイメージに近いと思います。ちょっと行くと工業地帯で。中学卒業して就職も多いですね。土方とか。高校に行っても通信とか。大学に行ったのは僕の周りでは誰もいなかったですね。
井出さんはやんちゃしてたんですか?
う〜ん、中途半端なところですかね(笑)。周りがやんちゃしてたので、その中にいると必然的にそう見られちゃうのかもしれないですけど。僕自身はそんなに。
ご兄弟は?
兄と弟がいます。
ご両親のお仕事は?
父親は高校の教師で、母親は専業主婦です。
あら、お父さんは学校の先生?
そうです。
何を教えてるんですか?
体育ですけど、教頭補佐みたいな感じでほとんど何もしてないです。
じゃ、かなり厳しいお家なんじゃないですか?
うーん、実は、小学校を転校したのも、両親が離婚して、母親と一緒に市原に来て、そこで現在の父親と再婚したのが理由なんです。
じゃあ、再婚されたお母さんのお相手が高校の先生だったと。
はい。だから悪いことをしても、父親からは「学校にバレるなよ」っていわれていました。僕は父親の学校に通ってたので。
わー、マジっすか。お友達は、井出さんのお父さんが先生ってこと知ってたんですか?
もちろん。最初の方とかはめっちゃいじられましたけどね(笑)。
でしょうね。
朝礼とかに出てくるので。父親が「ハルオ」っていうんですけど。
はい(笑)。
朝礼に出てきたら父親に向かって、みんなが「ハルオ〜!!」みたいな。
やっぱ、「ハルオ」さんってお名前が効いてますよね(笑)。
1年のときは最悪でしたよ。2年、3年になると、みんな飽きてましたけど。
(笑)。ハルオさんに初めて会ったときのことは覚えてます?
覚えてます。
「新しいお父さんですよ」って?
最初は「新しいお父さん」というより先生で…実は母親が教え子だったんですよ。
ハルオさんの?
はい。
おお! なんかゾクゾクしてきました!
母親の地元が千葉で、バレー部で教えていたらしんです。離婚して、千葉に帰ることになったときに、色々面倒を見てくれたんです。住まい探しとか。
ハルオさんが?
はい。僕は小学生だったのでよく覚えていないんですけど、家とかにもちょくちょく様子を見に来てくれたり。
ハルオさんったらー。
別に「誰だよ、コイツ」とかにもならずに、自然に。気が付いたら父親になってました。
うふふ(笑)。ロマンチックですね。 小学校のときはどんなことして遊んでましたか?
小学校の頃は周りが野球少年ばかりだったので、外で野球をしていましたね。
この世代では珍しいですね。サッカーとかじゃなくて?
はい。
野球はお好きだったんですか?
別にそういうわけじゃないですけど、遊ぶのがそれしかなかったので。転校して来たときって、どのポジションにつくか大事じゃないですか。小さい頃ってヒエラルキーがめっちゃあるので、まず「どいつを押さえればいいか?」を見極めて、昼休みに「なにして遊ぶの?」って話かけたんです。
そしたら野球だと。
そうですね。放課後は、ほぼ野球でした。
野球はやったことはあったんですか?
なかったです。
(笑)。大丈夫でしたか? ヒエラルキーあったんでしょう?
小学生だったので、上手、下手っていうより、面白いか面白くないか、の勝負で。面白いっていうポジションに入り込みました。
どんなことをして笑わせていたんですか? チンチン出すとか?
そういうのはしないんですけど(笑)、例えば、人の家にボールが入っちゃったら、ガンガン怒られながらも僕がヘラヘラ取りに行くとか。
なるほどー。
あとは、結構ギリギリのラインを攻めるみたいな。それやったらヤバイでしょう!っていうギリギリを攻め続けていました。
やっぱ、あだ名は「ジョー」でしたか?
そうですね。
似合ってますよね! それに面影がありますよ、可愛くてカッコイイ小学生みたいな。モテたでしょう、ジョーは?
うーん、ちょっとです(笑)。でも小学生がピークでしたね。転校生だったので珍しかったし、足も速かったので。足が速いとだいたいモテるじゃないですか?
あれはなんなんでしょうね。私も転校生だったんですけど、必ず最初に「50mいくつ?」って訊かれますもんね。
そこにもヒエラルキーがありますよね(笑)
じゃ、初恋の話をしましょう! いつですか?
初恋は中学生です。中学2年だったか3年くらいですね。
あら、結構遅いですね。何ちゃんか覚えてます?
内緒で(笑)。
OK!! お付き合いとかしました?
そうですね。半年くらい付き合いました。
中学2年生のジョーは、その子と何をしていたんですか?
一緒に帰るとかそれくらいで。
チューとかするんですか?
しました、しました。
どこでチューしていたのか教えてください。
どこだろう…どこだろうな(笑)。家の近くの公園とかだった気がします。
帰り道に公園寄ってベンチに座ってジュース飲んでチューしてからお家に帰っていたんですね! では、スポーツはなにかやっていましたか?
剣道を4歳からずっとやってました。家族全員やっていたんです。
お、うちの子供もガンガンおもちゃの刀を振り回しているんですけど、ちょっと剣道に興味が湧いているようなんです。オススメですか?
オススメではないです。
即答ですね(笑)。なぜですか?
指導する先生って、昔エゲツない練習をしていた人が多くて、結構古い体質なんですね。それを今もやっているような。
一番辛かった練習とかって覚えています?
学校でなにか悪さをしたり、先生に見つかったりすると、「ハメ稽古」って僕たちは呼んでたんですけど…
ハメですか!!
立てなくなって、意識を失うくらいまで、ひたすらやらされるっていう。
叩かれるんですか? バチコン! バチコーン!! って?
そうですね。合法的な暴力を振るうことができるスポーツなので。
中学生のときからですか?
それは高校のときです。高校からは、技として「突き」が有りになるんです。僕たちは「スコップ」って呼んでたんですけど、先生が下から喉を突くんです。悪いことをしたやつにスコップを。
「これから井出がスコップされるぞ!」みたいな?
そうですね。そういうときは、先生の空気がいつもと違うんです。呼ばれて、ひたすらやられ続けるんです。
入ったらどうなるんですか?「うげぇ〜!」って?
なんか、アドレナリンが出すぎて痛くないんですよ。だからだんだん怖さもわからなくなるんです。
逆に怖いですね。
当時の部長は、スコップされ続けて、おかしくなって、先生の竹刀をへし折ってました。
部長、キレたんですか(笑)?
イライラしてたんでしょうね。スコップされた瞬間に、バキッって竹刀を折ってました。L字に曲がってましたね(笑)。
亀田兄弟の次男みたいですね。
とにかく気合と根性みたいな感じで。先生も「剣道は格闘技だ!」って断言していて、「ナメられたらお終いだぞ!」と。工業高校のヤンキーと喧嘩試合みたいになっても、まったく怒られませんでした。
子供にスコップは嫌なので剣道やめておきますね。ちなみに中学くらいで一番やんちゃしてる子ってどんな感じでしたか?
そいつらは学校にはほとんど来てませんでしたね。来ても教室に入れないんですよ。視聴覚室みたいな狭い部屋に押し込められてました。そいつらが来たら、僕とかが給食を持っていって、そこで食ってダラダラ話して、1日が終わるみたいな(笑)。
それはそれで楽しそうですね。で、高校ですが、ハルオさんの高校に。
はい(笑)。
でも、なんでわざわざハルオさんがいる高校を選んだんですか?
通学がラクだったからです。
そんなもんですか(笑)。ハルオさんはなんていってましたか?
「わかった」って。兄貴もそこだったんですよ。
なるほどー、良い流れが出来ていたんですね。男子校ですか?
いえ、共学です。東海大付属市原望洋っていう高校です。
そこでハメ剣道をやっていたんですね。
ハメ稽古です(笑)。きっちり3年間やりました。
すいません、ハメ女の子の話をしていいですか?
(笑)。高1の冬くらいに彼女が出来ました。その子とは3年間くらい付き合いました。
何ちゃんですか?
内緒です。
またですか!でも OK!! 彼女は剣道の応援に来てました?
いや、来たことはないですね。吹奏楽部だったので、僕が観に行ったことは何回かあるんですけど。
彼女は吹奏楽部で何をやってたんですか?
サックスです。
彼女のサックスはどうでした?
どうでした? ですか(笑)。サックスとかだとソロパートがあったので、格好良かったと思います(笑)。
じゃあ、本当にすいません、サックスの彼女とセックスのハメ稽古はされたんですか?
まぁ、そうです(笑)。
場所はハルオの家ですか?
はい(笑)。でも僕の家でもあると思うんですけど(笑)。
なるほどー。じゃあ、正に井出さんは、「突き」っぱなしの高校生活だったんですね。で、中学くらいから、美容師さんになりたかったとおっしゃっていましたが、どうしてですか?
ずっと坊主だった反動でしょうか。4歳からずっと坊主だったので。
ああ、剣道部だったから!
はい。中学時代にチャラついてちょっと伸ばしたんですが、友達に初めて美容室に連れてってもらって衝撃を受けて。そのときから漠然と「美容師になるんだ」って思っていました。
それまではウイ〜ンってバリカンだけだったんですものね。
イヤだったんですよね。母親が床屋さんに「一番短くしてください」っていうんですよ。バリカンのカートリッジなしで、そのまま行くんです。五厘ですよね。すっごいイヤで。
床屋さんの守谷さんは、「キムタクドラマの影響で、美容師さん志望の人が増えた」とおっしゃっていたんですが、井出さんの世代だとキムタクは関係ありませんでしたか?
そうですね。でも「CHOKiCHOKi」っていう雑誌があって、その影響が大きかったかもしれませんね。
美容師になることついて、ハルオさんとお母さんは?
いや特に何もいわれなかったです。
美容師学校はどちらに行かれたんですか?
新宿にある山野美容専門学校です。
あ、名門なんじゃないですか!
大きいだけなんですけど(笑)。
生徒さんは何人くらいいるんですか?
僕達の代は40人くらいが、16クラス。結構多かったですね。
マジっすか!! 400人以上ですよ!! 吉田さんが行ってた吉本のNSCと同じくらいですよ!
そうですか。
男の子と女の子の割合ってどれくらい?
半々くらいだったと思います。いろんな人がいました。年齢とかも。最後までいくつかわからない女の人とかもいました。
でも途中でやめちゃう子とかもいますよね?
多いですね。ファッション業界もそうだと思うんですけど、入口はめっちゃ広いじゃないですか。入ったら結構キツくてやめちゃう子が多いですね。
そこもNSCと同じですね。やっぱり学校は忙しかったですか?
そうですね。ひとり暮らしを始めたんですけど、家賃も払わなきゃならなかったのでバイトもありましたし、国家試験の勉強とか実技のテストもあるので、もちろんそっちの勉強も。あと就職が決まったら決まったで、就職先のシャンプー練習に行ったりと、毎日なんだかんだ忙しかったです。
就職はどんな風に決まったのですか? 最初からOLTAさん?
最初は、好きだったサロンに内定を頂いていたんですけど、現在のオーナーがまだ違うお店で働いていたときに、フラっとそのお店に行ったんです。「今度、独立するんだよね」って話を聞きまして、それで「そこで働かせてください」って頼んだんです。
え? 内定も決まっていたのにですか? ずっとそのお店に通っていた訳ではないんですよね?
はい。1回だけです。
それで気に入っちゃったの? ビビット婚ですか?
そうですね(笑)。なんとなくそんな感じで。
もうちょっとビビット婚の中身をください!
うーん、なんていうか、美容室っていっぱいある中でどうやって選ぼうかな? って考えたときに、やっぱりブランドサロンだったり、めっちゃスタイルが格好良かったり、老舗でイケイケだったり、いろいろあると思うんですけど、やっぱり技術職なので、身近な上の人をちゃんと尊敬出来ないと続かないなぁって思っていたんです。それで、この人だったらって。
「この人だったら!」って、キュンキュンしちゃいますね! じゃあオーナーさんは魅力的な方なんですね。
はい。
それで就職も決まって、お店の立ち上げからご一緒していたんですか?
僕が入社したのは4月からなんですけど、店は前年の11月オープンだったので、内装とかのお手伝いはさせてもらいました。
美容師さんの国家試験っていうのは、どのタイミングで受けるものなんですか?
12月です。
ていうことは、国家試験に落ちゃったら、内定貰っていても入れないんですか?
そうなんですよ。それも3月の終わりに合格発表なんですよ。
ええっ! それってすごい話ですね。
だから僕も店を手伝っていたときに「あ、そういえば今日合格発表だ!」と思って、「今、見てきなよ」っていわれて「合格してました!」 みたいな感じだったんですよ。
内定貰いながら、落ちちゃった人もいますよね?
いると思います。でも年に2回試験があるんですよ。8月くらいにまた受け直すんです。それで内定取消しになっちゃう子もいれば、待ってあげるよっていう美容室もあります。
なんかもうちょっと良い方法があるような気がしますけどー。
でもちゃんとやってれば受かりますので。8割、9割は受かります。
国家試験の内容とかって覚えていますか?
はい。まずカットが必須で、あとはパーマか、オールウェーブっていう技術がありまして。
オールウェーブ?
髪の毛にベタベタにローションを塗りたくって、リッジをつくるんです。
リッジ?
すいません(笑)。50年代の髪型とかでよく見るんですけど、こんな感じです。
ああ〜なるほど〜、波打ってますね! 井出さんはどちらをやったんですか?
僕はオールウェーブでした。
おー! じゃあオールウェーブの練習はしてたんですね。ローション塗りたくってたんですね。
そうですね。どちらも練習してました。
筆記試験もあるんですか?
はい。皮膚の勉強とか、骨の仕組みとか。
骨?
刃物を扱うので、消毒の勉強とか皮膚病の勉強とかはするんですけど、なぜ骨をやっていたのかは僕もわかりませんでした(笑)。
学生時代のハメ稽古はどうでしたか?
前の彼女と別れてからは、付き合っても長続きしなかったですね。
現在お付き合いしている方は?
はい、います。
何ちゃんですか?
サエカっていいます。
どこでお知り合いになったんですか?
サエカさんはフォトグラファーでして、撮ってる人が知り合いのモデルさんだったんです。それで紹介してもらいました。僕も写真をやっているで、彼女のInstagramとか見たりして、そこから話が弾みました。
恋も仕事も順調ですね! 現在はまだアシスタントさんということでいいんでしょうか?
はい。
えっと、昇進っていうか、美容師さんはどんな感じで上に行くのでしょうか?
大体、お店によってカリキュラムがあるんです。シャンプーから入って、ブロー、カラーが5種類くらい、パーマも5種類くらい、カットが7種類くらい。それをやって行くと2年から3年なんですけど、もっとカリキュラムが長いお店もあって、4年から5年とかかかるところもあります。
今2年目ですよね。じゃあ、もうそろそろ…
はい。メンズに関しては、もう切っています。うちは結構自由なんです。実践主義なので、お客さんを呼べればいいよっていう。
やっぱり初めてカットしたときは緊張しましたか?
事前に準備はしていたので、「どうしよう!」にはならなかったですけど、それなりに緊張はしました。一番最初は友達にしましたけど(笑)。でもカットできるようになったのは、本当に最近です。ここ1ヶ月、2ヶ月くらいです。
楽しいですか?
楽しいですね。
じゃあ、井出さんが一番楽しいと感じるカットを教えてください。
そうですね…この前ロングの人をバッサリ切りました。やっぱり長いのから短くするのは気持ちいいですね。
「気持ちいい」ですか(笑)。逆に楽しくないー、難しいーっていうのは?
それはないですね。難しいとか面倒臭いは本当に感じたことがないかもしれないです。
エライなぁ! 休みの水曜日は何をしてるんですか? 忙しいからひたすら寝る?
写真を撮るのが趣味なので、撮影したり。
撮影っていうのはお仕事の撮影じゃなくて、ご自身の?
半々です。ヘアーもやったり、自分のも撮るみたいな。
どういうものを撮ってるんですか?
最近ローラースケートを始めたんですけど…
スケボーじゃなくて(笑)? 4輪のヤツですよね?
そうです。クワッドローラーっていうんですけど。
それって流行ってるんですか?
いや、流行ってないですね。でもめっちゃ格好良いんですよ。
で、このローラーと写真って、どう関係があるんですか?
えっと、こういう感じなんです。
なんですか、これは(笑)。めちゃくちゃ良い写真ですけど。お隣が彼女さん?
はい、そうです。
で、一体おふたりは何をやってるんですか? ここは渋谷ですよね?
はい。こういう色々ミックスした写真が好きで、Instagramとかにあげてるんです。
ピザの箱を持って、アイス持って、「よし、今日は撮りに行くぞ!」と。なんでまたローラースケートを?
写真以外になにか新しい趣味ないかなぁって考えていたんです。そこで見つけて「コレだ!」って。格好良いじゃないですか。ちょっとダサいんだけどイケてる。昭和とか、70年代、80年代っていうのがすごく新しくて。ハマってて。
じゃあ光GENJIも観たんですか?
はい。光GENJIのHOW TO動画みたいのをめっちゃ観ました。諸星さんとかが教えてくれてる。
さん付けですか(笑)。
もうめっちゃ上手いんですよ。光GENJIは。
そうなんですか(笑)。光GENJIの中では誰が好きですか?
そこまで詳しくないです。
ですよね(笑)。ひとり捕まっちゃった。
そうなんですか!
あともうひとりは転落人生で。
そうなんですか!
ローラースケートは彼女に無理強いですか?
いえいえ、彼女も好きなのでノリノリで始めました(笑)。
滑ってコンビニとか行ったりするんですか?
いや、危ないので。美容師の怪我は絶対にNGですから。そこの安全だけは。
じゃあ、OLTAの中でもダメですか?
オーナーに一回仕掛けたことはあります。「そろそろこれで営業するかもしれないです」っていったんですけど、現実的にシャンプーとか出来ないなと思って(笑)。
クルクル回ってチョキチョキとかカッコイイんですけどね。
いや、ハサミ持ってはダメです(笑)。
では最後に、井出さんの夢を教えてください。
夢ですか。家族が欲しいです。
あらー。結婚したい?
そうですね。
サエカちゃんと結婚したい?
まぁ、そう思ってます(笑)。
コノコノー。昔から結婚願望とかあったんですか?
そうですね。家庭環境があんまり良くなかったからですかね? それ以外は別にないです。お店を独立したいとかもないですし。
そうですか。お母さんはお元気ですか?
はい、地元で父とおります。兄弟もみんな独立しましたから。
じゃ、やっとハルオさんとふたりきりになったんですね!
はい。
おふたりでアタック&レシーブやってらっしゃるんですね!
どうでしょうか(笑)。
※「Who Are You?」では、インタビューを受けて下さる方を募集しています。自薦、他薦、構いません。お名前、ご年齢、性別、お住まい、ご職業、応募の動機を明記の上、こちらまでお問い合わせください。