Advertisement
News

英国のEU離脱騒動で荒れる最大野党の労働党

昨日、6月28日に労働党会議で実施された不信任投票では、コービン党首を支持する40票に対して不信任票は172票を数えたが、同党首は、辞任するつもりはない、と表明した。

by Tess Owen
29 June 2016, 10:00am

英国いちの中道左派政党であり、最大野党の労働党(Labour party)内で「クーデター」が進行中だ。6月26日以降、ジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)労働党党首の退陣を求めて、21名の「影の閣僚」が辞意を表明した。イギリスの欧州連合(EU)離脱が決定した国民投票の結果を受けて、コービン党首の指導力をもはや信用できない、と彼らは口を揃えている。

影の外務長官(Shadow Foreign Secretary)、ヒラリー・ベン(Hilary Benn)氏が党首への不信任を表明したことを受け、コービン党首は同氏を更迭した。この出来事に続いたのがいち連の辞職劇だ。

ベン氏やその他の影の閣僚たちは、EU残留を訴えていたコービン党首の政治キャンペーンが不調に終わったのを非難している。「ジェレミーと電話で話し、彼の指導力に疑念を抱いている、と告げた。すると、彼は私を更迭した」とベン氏はBBCに訴えた。

§

「あなた(コービン党首)がわが国の要求に応える能力がない、そう認めざるをえません。また、われわれが次の『影の内閣』組閣を実施するさい、党首交代は必至です」と影の保険大臣(Shadow Secretary of State for Health)、ハイディ・アレクサンダー(Heidi Alexander)。

「あなた(コービン党首)は寛大、寛容且つ道義的な人物です」と影の教育大臣(Shadow Secretary of State for Education)ルーシー・パウエル(Lucy Powell)は辞表に記している。「とはいえ、あなたの現在の立場を擁護できませんし、あなたは影の内閣はもとより、それより大事な、国民からの支持も失ってしまいました」

ケリー・マッカーシー(Kerry McCarthy)、影の環境食糧農林大臣(Shadow Secretary of State for for Environment, Food and Rural Affairs)はこうコメントした。「あなた(コービン党首)が個人的に長年抱き続けた方針への、あなた自身の貢献に疑いはありませんが、前途に待ち受ける課題に取り組むには新たなリーダーが必要です」

影のスコットランド大臣(Shadow Secretary of State for Scotland)、イアン・マレー(Ian Murray) は、将来的なEUとの交渉でスコットランドと英国にとって最善の取引を確保するには、強力な野党党首が必要だ、と辞表に記した。「最善の取引の確保は新たな指導者とでなければ達成できない」とマレー氏は主張し、コービン党首と「隠し立てしない正直」な対話を試みたそうだが、「その行為に値しない」とわかった、とも記している。

カール・ターナー(Karl Turner)、影の法務長官(Shadow Attorney General)は「とても沈んだ気分」で辞表を提出した、とツイート。

§

労働党が大混乱に陥るのを警戒して、政局を用心深くうかがう閣僚たちもいた。影の内務大臣(Shadow Home Secretary)を務めるアンディー・バーナム(Andy Burnham)氏は、コービン党首に忠誠を誓い続けるつもりだ、とツイートした。

「わが国の先行きが不透明なときに、野党を内部崩壊させるような行為はナンセンスだ」とバーナム氏。「私はいかなる労働党指導者に対しても反旗を翻さなかったし、いまは時期尚早だ」

その一方で、トム・ワトソン労働党副党首(Tom Watson、Deputy Leader of the Labour Party)は今回の騒乱に対処すべく、グランストンベリー・フェスティバル訪問を早急に切り上げた。

その後、ワトソン副党首は声明を発表したが、コービン党首への支持は表明しなかった。「今朝(6月26日)、ヒラリー・ベン氏が更迭された事実に失望しているのと同時に、勤勉で才能あふれる大勢の同僚が去ったのは遺憾だ」

さらに、「明白なのは、わが国で総選挙を早急に実施する必要がある。労働党は組閣準備を進めなければならない」とワトソン副党首は付け加えた。

昨日、6月28日に労働党会議で実施された不信任投票では、コービン党首を支持する40票に対し、不信任票は172票を数えた。しかし、同党首は、「労働党組合員と支持者」の60%から支持を獲て指導者の地位を任されている、と強調し、辞任して彼らの期待を裏切るような真似はしない、と言明した。