日々の鍛錬と流した汗が物を言う。息を切らしながら走り続ける。一歩間違えれば怪我を負うかもしれない。喜びや悔しさを仲間と分かち合い、粉ポカリで水分補給…私はスポーツという言葉から、暑苦しさと汗の匂いを連想する。
私が抱くスポーツへのイメージは〈ビアポン(Beer Pong)〉によって変えられた。〈世界一おバカなスポーツ〉と呼ばれるビアポンのルールはとてもシンプルだ。台に配置したカップにピンポン玉を投げ入れて競い合う。ピンポン玉を投げる、相手の手元を狂わせるために、音の鳴るおもちゃで驚かせたり、胸の谷間を見せるなどの妨害行為も認められている。しかも、ビールを飲みながらプレーしてもいいのだ。必ずしもビールを飲まなければいけないというルールはないが、試合中にお酒を飲めるのも、ビアポンの醍醐味のひとつだろう。
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1950年代、米国の学生のあいだで、ビールが入ったカップにピンポン玉を投げ入れ、ビールを飲み干す遊びが流行した。その遊びはビアポンと名付けられ、地域ごとに異なったルールで楽しまれていたが、世界各地にビアポンを競技として広めるための団体が立ち上げられ、全世界共通のオフィシャルルールが制定された。現在はプロビアポン選手まで誕生し、日本でも大会が開催されるほどになった。毎年、ラスベガスで世界大会が催され、日本は6年連続の出場を果たしている。
今回は日本ビアポン協会が主催する、ビアポンスプリングカップ 2018に参加した。残念ながら良い成績は残せなかったが、スポーツとお酒が同居するビアポンの独特な空気を味わうことができた。まだ日本での知名度は低く、競技人口が少ないビアポン。日本代表として世界進出を目指すなら、今のうちかもしれない。