ルックスはムサい。音は分厚い。悪魔。怖い。黒い。臭そう。そんでもってモクモク~ってね。なかなかアルバムをクルクル回すには「勇気」と「タイミング」が必要なバンドだと思うんです、ELECTRIC WIZARDってば。で、最新作『TIME TO DIE』が届いた時もどう聞こうかと考えて、あえて掃除機かけてる時に爆音かましてやったんですよ。そしたらもう~バキューム音と腕の押したり引いたり運動が、どサイケな轟音グルーヴにぴったりハマりましてね。えんやこら~と隅々までピッカピカになった訳です…ってELECTRIC WIZARD(とそのファンの方)に大変失礼!でゴメンナサイなんですが、とにかく『TIME TO DIE』は間違いなく大傑作。もちろん超ヘヴィ~ですけれども、同時に超EMOTIONALでもあるんです。息苦しくて声が出ない。感動の嗚咽。滲み続ける涙。そんな体験をしたのは私だけではないハズです。 …という訳で、なかなか日本では過小評価されていると思うのですが、この機会にぜひ苦しんで頂きたい。そしてその後現れる感動の渦に溺れて頂きたい。そしてこの「サルでも分かるELECTRIC WIZARDのA to Z」でぜひフリークになってくださいまし。
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焼けこげたプンプンのアシッドに包まれた厭世的な悪夢…。イギリスはドーセット州の奥深くから出現したELECTRIC WIZARDは20年以上もの間、痛烈なドゥーム・メタルの反乱を率いており、更に言うならば現時点で最高のロックンロールバンドの一つでもあります。60年代後半から現在にかけて人々を熱狂させたBLACK SABBATHやSTOOGES、そしてVENOMといった先人達と同じ種族であると言っても過言ではないでしょう。更にBLACK SABBATHのギタリスト、トニー・アイオミに代表される精神的なリフ崇拝へ献身的なスタイルを表明している一方、彼等は地下に隠された様々な文化にも大きく踏み込んだグループであります。
反体制文化の怪しい財宝、精神安定剤入りのシチュー、低俗映画、60年代のユーロ・ポルノ、ヴィンテージ・ホラー、80年代のソーホーの裏通り、デトロイトのガレージロック、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト、アンディ・ミリガン……ELECTRIC WIZARDの音楽と彼等の文化的な執念を切り離すのは不可能であります。そして切り離そうとすることも失礼であります。あらゆる60年代後半~70年代前半の映画、アート、そして音楽を取り囲む低俗な風潮と地下文化の改革による混合物に対して大変ご熱心なのであります。
彼等のレコードのサンクス・リストをご参照ください。そこにはカルト・ホラー俳優レジー・ナルダーの名前があります。他にもポルノ、プロレス、パンク、ホラー、UFO、コミックなどの低俗書物を出版しまくった“マッド”・マイロン・ファス、猟奇的かつエロティックならお任せのB級映画監督ジェス・フランコ、そしてダスティン・ホフマンの妻をセクシーに演じた映画『わらの犬』でお馴染みのスーザン・ジョージなどもサンクスされております。
音楽的な見地からするとELECTRIC WIZARDはBLACK SABBATHの弟子であり、VENOMやWITCHFINDER GENERALのようなNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィーメタル)勢と、SAINT VITUS、PENTAGRAM、TROUBLEなど初期アメリカン・ドゥームのパイオニアから生まれました。
彼等のデビュー・アルバムは『ELECTRIC WIZARD』は1994年にリリース。BLACK SABBATHからの影響とサイケデリックなグルーブを轟かせていましたが、バンドの方向性が固まったのが名盤であるセカンド『COME MY FANTASTICS…』。悪夢への往復旅行が始まった訳です。重く、暗く、そして圧政的。湿った洞窟から音の塊は流れて来ます。古典的なドゥームメタルの遅く低い響きを放ちながら、屑のような響きを無限まで流し、HAWKWINDとハードコアから相成るニヒリズムの空気を運び、更には生々しいエクスペリメンタル・アプローチも展開していました。2000年には3部構成15分の組曲 「Weird Tales」収録のこれまた傑作サード『DOPETHRONE』を、続いて実験的な展開を見せた『LET US PREY』(2002年)、ナチュラルさが戻った感のする『WE LIVE』(2004)を発表。ちなみにこの時期にジャス・オボーン(ボーカル/ギター)、ティム・バグショウ(ベース)、マーク・グリーニング(ドラム)という不動のトリオが崩壊しましたが、現在も在籍するリズ・バッキンガム(元SOURVEIN:セカンド・ギター)がここで加入しています。ただその後もメンバーの入れ替わりなどもあり、『WITCHCULT TODAY』(2007年)、『BLACK MASSES』(2010年)の二作はちょっと立ち止まっていた感もありました。
しかしドーンドーンドーンと出たのであります。4年ぶりの新作『TIME TO DIE』。自身のレーベルWITCHFINDERからリリースされた今作は、初期のドラマーのマーク・グリーニングも参加して、ミニマルでストロングでスローでヘヴィーなサイケデリック・ドゥームが恐ろしく深い地下の地下の地下から響いて来るではありませんか。もう怖いです。ちょっと泣きたくなるのであります。
ELECTRIC WIZZARDは年齢と共に熟していったりはしませんでした。ジャスは最近こう発言しています。「俺たちのマスタープランはこうだ。本物のメタル!改革のために立ち上がる!俺たちはガキの味方なんだ!喧嘩して、吐いて、草を吸うんだ!」
今回Noiseyはジャスとメールの交換が出来ました。そして彼から届けられたのがELECTRIC WIZARDのA to Z。こちらを皆様にお届けしたいのであります。たっぷりとELECTRIC WIZZARDを勉強してください。もちろん『TIME TO DIE』を聞きながらでお願いします。
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A is for ALICE COOPER: 70年代前半のアリス・クーパーは殺人者と言っていい。不穏なのに元気なメロディー、暗いテーマ、ギロチン、安っぽい化粧、腐ったウィスキー。 「ああ、素晴らしい。クーパーは面白い相対関係を見せてくれた。暗いイメージなのに異様なほどテンポの良い劇場型のロックンロールを相殺するのだ。オリジナルのラインナップはどれも最高。少なくともボブ・エズリンが台無しにするまではな。あいつは本当に最悪だった。アルバム『SCHOLL’S OUT』はミュージカルもどき。最低だよ。まぁ、バンドはそんなに関わっていなかったと思うけどな。レコード産業の悪き古き時代の典型的な話だ。今もそんなに変わってはいないか。ただ最初の4作は本当に貴重だ。中でも最高なのは明らかに『KILLER』だな」
B is for BLACK FLAG: BLACK SABBATHはドゥームメタルの先駆者として、ELECTRIC WIZARDに与えた影響は明らかだ。そしてBLACK FLAGは、これまたELECTRIC WIZZARDのパズルの重要なパートである。そのサウンドはハードコアながら残忍な暴力に重く低いグルーブを加え、更にギタリストであるグレッグ・ギンは彼自身のレーベルSSTからLAのSAINT VITUSをリリースする事で彼のドゥーム熱をアピールしてくれた。「今まで聞かれた中で最もドロドロして、一番気難しいパンクロックであろう。『MY WAR』のサイドBを全部チェックしてみてくれ」
C is for CORRUPTION:「ロバート・ハートフォード・デイヴィス監督による1968年の映画だ。ピーター・カッシング主演の低俗で発狂したような作品なんだ。スーパーモデルの妻が事故で顔に傷を負い、それを元に戻すために60年代のソーホーで脳下垂体を集めるために売春婦の首を切る。『時計仕掛けのオレンジ』の如くLSDで狂ったヒッピーが騒ぎだし、そして誰もが不完全で実験的な手術によって酩酊したまま死んで行く・・・そう、ブリリアント」
D is for DETROIT:初期のELECTRIC WIZZARDの作品と、デトロイトのガレージロックは結びつかないかもしれないが、最近はその影響も大きくなっているようだ。2010年の『BLACK MASSES』では、更に激しく不潔な黒いタールの匂いがプンプン。MC5、Stooges、アリス・クーパーなどのからのエッセンス。「これらのバンドは、どれも生々しく攻撃的だ。それに彼等は明らかにUKの奴等に影響を受けていると思う。例えば初期のR&B…THE PRETTY THINGS、YARDBIRDSとかだな。あとPINK FLOYDだ。実際にPINK FLOYD は1968年にアメリカ・ツアーをしてアンダーグラウンド・シーンにセンセーションを巻き起こした。彼等はアリス・クーパー・バンドの家に数日泊まったそうで、俺はそのことがアリス達に与えた影響はデカイと思うよ。とにかくクラシックなブルースとソウルに、ヴァイオレンスとアグレッシヴさがミックスされて…クレイジーだぜ!」
E is for THE EROTIC RITES OF FRANKENSTEIN:「偉大なジェス・フランコ監督による1973年のホラーで、プロデューサーのロベール・ドゥ・ネスルを悩ませたブツ。イタリアのエロ&ホラー漫画に息を吹き込んだような内容で、TERRORや i SANGUiNARi、OLTRETOMBA(全てイタリアの低俗コミック)のページからそのまま出て来た感じだぜ。まだ完全版DVDが出ていないんだよな。イギリスではVHSだけなんだ。誰か探して教えてくれ」
F is for FLOOD: 去年サマセット州には近年最悪のFLOOD(洪水)が起こった。 「本当に酷かった。俺達は幸運な事にかなり高地に住んでいたから大丈夫だったんだけど、数日は取り残された。クソ政府が河川の整備をきちんとしていなかったからだ。本当にクソったれだ。ここは農地だ、俺達の農地だ。EU委員会じゃないんだ。俺達のコミュニティを侵食し、都市に集中的に引越しさせようとしてるんだ。もう戦争だよ」
G is for SUSAN GEORGE: 「ドーセット州とサマセット州は本当に『わらの犬』のイメージだ。俺の父も60年代にはギャングの一員でありかねなかった。スーザン・ジョージは子供の時代からのお気に入りで…今もそうなんだ」
H is for H.P.LOVECRAFT: 間違いなくハワード・フィリップス・ラヴクラフトは20世紀最も影響力のあるホラー小説家。クトゥルフ神話の創始者だ。ELECTRIC WIZZARDは「ダニッチの怪」に敬意を表しており、アルバム『WITCHCULT TODAY』には「ダニッチ」という曲が収録されている。1972年頃にキャプテン・ビーフハートとPENTAGRAMがニューヨーク・ブラウンストーンでジャムっているようなナンバー。
I is for INDICA: 「何も言わなくても分かるだろう」
J is for JESS FRANCO:「彼の作品は官能的で、ビビッドで、狂っていた。王道のホラーから摩訶不思議な話、そしてソフトコアなポルノまで160を超える映画を撮った。彼は強い意志で、常に前進しようとし続けた精力的なアーティストなんだ」
K is for KENTISH TOWN THE FORUM:2012年3月31日。ロンドンで最もメジャーなヴェニューでのライヴ。「口コミだけでチケットは売り切れだった。そう、魔女信仰は確実に広まっている」
L is for LONG ISLAND CANNIBAL MASSACRE: 「1979年のネイサン・シフ監督の映画だ。最近手に入れたんだが圧倒されてしまった。スーパー8カメラで制作された100%アマチュアのプロダクションなのに、素晴らしく「ちゃんとした」映画になっている。ピーター・ジャクソンの初監督作品『バッドテイスト』のように圧倒されたんだ」(*ちなみにこの『バッドテイスト』のビデオの日本語吹き替えは、たけし軍団がやってました)
M is for “MAD”MYRON FASS: アウトロー、バイカー・ギャング、オカルトセックス、けだもの、グルーピーなどなど…。“マッド”・マイロン・ファスは70~80年代にかけて、アメリカの都市の新聞・雑誌売店を支配していた。「20000部売れるなら便座についてのつまらない雑誌でも何でも出版する」…と言ってのける風変わりな起業家で、数十年にわたり何千もの雑誌を出版して来た。 「彼はマジで狂ってる…。俺は、あらゆる恐怖雑誌の元に育った。奇妙な話、怖い話、魔女の話。それらは相当狂っていて、病的で奇妙だった。子供だったのであまり深くは理解出来なかったけど、ファスの雑誌が本当に酷かったのは良く分かったよ。安くてね、ポケットマネーでも買えたんだ。今や全部集めてるよ。あとSTANLEY という出版社も大好きなんだ。「Ghoul Tales」と「Stark Terror」とかね。すごく安くて、チープな作りだったんだけど、カバーは本当に凶悪だった。道徳的に本当に良くない感じでね。重くてサディズムのイメージだった」
N is for PAUL NASCHY: スペインの超大物ホラー俳優。ELECTRIC WIZARDは彼の狼男を愛している。
O is for THE OUTSIDER: (『LET US PREY』収録曲)「レベル・ミュージック。心を無にして欲しい」
P is for PSYCHOMANIA: 「イギリス史上、最高のバイカー・ギャング映画だ。トムというバイク少年が「リヴィング・デッド」というギャングのリーダーなのだが、その母親から聞いた秘術によって、悪魔と死後生き返るという契約をする。彼と仲間達は、一人ずつ自殺しては生き返ってイングランド中部にはびこって行くんだ。劇中に流れるフォーク・バラード「Riding Free」は『ウィッカーマン』のサントラと同じくらい異様だ」
Q is for QUEEN OF THE NIGHT: アルバム『BLACK MASSES』収録の「Venus in Furs」は、悪の女性を例えたクラシック・ドゥームだ。「黒悪魔に包まれた夜の女王(QUEEN OF THE NIGHT)、私の拷問を受けるあなたは象牙色の肉体。あなたは毛皮を着て悪魔とコブラのように蘇る」
R is for REGGIE NALDER: 誰もが一目見たら忘れる事が出来ない恐い顔を授かったレジー・ナルダーは『死霊伝説』のバーロウ役で知られている。他にもたくさんのB級映画に出演しており、スタートレックにもチョイ役で出演している。
S is for SATAN’S SATYRS:バージニアのトリオSATAN’S SATYRSはドゥームが持つ厭世的な低音の重さと、パンクが持つ腎臓付近を痺れさせるような爆発力をシンプルに調和させている。狂った60年代のファズボックス・リフ、叫びまくるボーカル、オカルト的で叙情詩風な世界観、バイカーズ・ギャング、ボンデージ…。「正直最近は攻撃的な音楽をあまり聞かないんだ。例えば「俺たちはヘヴィーーーーーッッ!!!!!!!!ウォーーーーーーッッ!」なんて自分で脱腸するような雄叫びを上げるメタルバンドがいるだろ。だけど世の中の人々はそれを馬鹿馬鹿しいと思う。メタルの中には人々を怖がらせるものもあるが、それは良くないと思うんだ。馬鹿者がひねくれて怖がらせるためにやってるとしか思えない。「うるせーな。静かにしろ!」と叫ぶようなバンドが必要だ。そしてそれがSATAN’S SATYRSなんだな、俺にとって。彼らはセンスの良い音を混ぜ合わせている。まぁそれを理解出来ない人たちもいるだろうが、デヴィッド・アレン meets BLACK FLAG meets VENOMなんだな」
T is for TOE RAG STUDIOS: トー・ラグ・スタジオはロンドン・ハックニーにあるアナログの天国。THE WHITE STRIPESも使用して注目された。ELECTRIC WIZARDも『WITCHCULT TODAY』から使用している。 「最新作『TIME TO DIE』もトー・ラグで録った。でも今回はチェサー州のスカイハンマー・スタジオも使ったんだ。前作『BLACK MASSES』はアシッド満載のアルバムだった。幻覚的な音にしたかったからね。でも『TIME TO DIE』はもっとストレートな、よりメタルな感じにしたかった。だからエンジニアはバンドの旧友クリス・フィールディングに頼んだ。ヤツなら違う環境でレコーディングしてもうまく混ぜてくれると思っていたからな」
U is for UNDER THE COUNTER (闇取引): ロンドンのソーホー近隣はここ数十年で大きく変わった。輝かしい時代は消え去った。地上げは容赦なく進んだ。ジャスは80年代後半にそこに住んでいた。 「お気に入りの映画館はもう残っていないな。俺がそこにいた頃…88、89年頃かな。ソーホーの赤線地区には白骨化遺体が残っていたよ・・・ハハ!正直ってのはいいね!ポルノのほとんどは検閲されていたが、闇取引ではよりドぎついものを手に入れることが出来たね。車の後ろに隠れて取引するんだ。ストリップクラブは一件は残っていると思う。当時は1回1ポンドだった。最高だったね!ハンブルグのレーパーバーンはいまだに低俗だぞ。それにアムステルダムにもいい所が一つある。でもデンマークとかストックホルムには無くなってしまったな。残っているのはマイナーなアメリカの地方都市とか。古き良き70年代の大阪や東京にも興味があるな」
V is for VENOM:汚い、不潔、砂だらけ。でもニューカッスルで一番元気なバンド。ELECTRIC WIZARDはVENOMヴェノムを愛している。アナタ達もそうだろう。フロントマンのクロノスはかつてこう言った。「俺達はパニックを生み出したかった。とにかくたくさんの音をアルバムにブチ込みたかった。曲と曲の間に犬笛を入れろ!ってエンジニアに言った事もあるぞ。皆のペット…猫やセキセインコも狂わせたいんだ!」
W is for WITCHFINDER RECORDS: ELECTRIC WIZARDはレーベルも運営している。 「あらゆるデモ音源とかはWITCHFINDERから出している。俺達は100%インディペンデントという考えのもと独自のレーベルを始めたんだ。が、完全に自分達だけでリリースし、流通することが出来るのか。なんたって俺達は麻薬に溺れ過ぎだ。ウォルマートとかアズダみたいに出来ないと言って、ファンに嫌われたくはないしな。誠実に対応してくれそうないくつかのレーベルから誘いもあったんだけど、『TIME TO DIE』はWITCHFINDERから出した。一度くらいきちんとした作品をWITCHFINDERから出してみたかった」
X is for X RATED (成人向け):ジャスは低俗芸術の真の鑑定家として、そしてヴィンテージ・ユーロ・ポルノのコレクターであるが、それだけではなく最近は本まで書いているそうだ。 「俺は、刑務所に入っている女の映画、レイプ復讐ドラマ、エロティック・スリラー、ジャーロ、フィリピンのエクスプロイテーション映画などをいつも探している。そして俺は60~70年代のポルノのかなりのコレクターでもある。今は当時のヨーロッパのポルノに関する本に取り掛かっているが、本当に書くのが大変だ。そこに関わって来た人達の多くは死んでいるか、逃亡中だからな。エイズを生き延びた人達や、『魔女狩り』の人達も話したがらない。何人か連絡を取れる人はいるんだけれど、ほとんどが実行犯達で、狂っているし、信用出来ない。70~80年代のUSポルノスターと違い、ヨーロッパやイギリスのその産業はほとんど知られていない。俺のお気に入りの監督はホラー監督が多いけどね。ジェス・フランコ、ジャン・ローラン、 マリオ・バーヴァ、ジョセフ・ブラウンスタイン、ロバート・ハートフォード・デイビス、アンディ・ミリガン、ポール・ナッシーなど。恐ろしいものとは変わったものだと思うよ。その中に俺達の映画とでもいうべきものもある!ビートルズの映画みたいなものだ。まぁもちろん、こっちの方が遥かに恐ろしく病的だけどね。あんまりハッキリは言えないよ・・・あいまいにしておくべきこともあるんだ。でもホラー映画というよりは、暴力的なレイプ復讐、低俗なエクスプロイテーション映画と言えるだろうね」
Y is for YUGGOTH: ユゴスは、H.P.ラヴクラフトのクトゥルフ神話に登場する架空の惑星。『The Whisperer in Darkness』に登場し、冥王星に似ていると言われる。『DOPETHRONE』の組曲「Weird Tales」の第1章「Electric Frost」でその名をお披露目している。
Z is for …うーん、wiZard: 「WIZARD(魔法使い)は、『指輪物語』のガンダルフや変なものが好きなゲイの妖精なんかじゃない!『Simon, King Of The Witches』をとにかく見てくれ!サイモンこそがELECTRIC WIZZARDなんだ。本物の魔法使いの本当に奇妙な映画だ。難しいかもしれないけど、クールになれるし、分かるまで見続ければいいんだ…LSDがお勧めだ!!!」