夜に大麻を吸っても翌日の仕事には影響しないのか?

仕事前、中、後に大麻を吸ったさいの影響を調べた研究が発表された。
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translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP
夜に大麻を吸っても翌日の仕事には影響しないのか?
Photo: Rick Proctor on Unsplash

※この記事は、VICE Asiaで掲載の記事を翻訳したものです。

生産性を上げたいがために大麻をやめる人がいる。大麻を吸うことで怠惰になってしまうし、モチベーションも上がらないと彼らは言う。しかし実のところ、大麻は生産性に悪影響を与えないようだ。ただし、正しい時間に吸えば、だが。仕事を終えて大麻を吸っても、翌日のパフォーマンスには影響しないという研究が発表された。

大麻は今や、世界各地で合法化されており、科学者たちは使用者の生産性への影響を研究し始めている。今年5月に発表された研究のベースとなったのは、サンディエゴ州立大学(San Diego State University)のジェレミー・B・バーナース教授、オーバーン大学(Auburn University)のH・ジャック・ウォーカー教授の指揮の元行われた実験だ。それにより、終業後の日常的な大麻の使用は、翌日の労働パフォーマンスに悪影響を及ぼすことがないとわかった。

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本研究では、大麻の使用によって労働者のパフォーマンスや同僚への態度、仕事への態度に変化があるかを調査。281名の労働者を被験者とし、彼らの直属の上司からデータを収集して、大麻の使用時間3区分と職場での様々なパフォーマンスの関連性をまとめた。

当然のごとく、終業後の大麻の使用には全く問題がなかったが、仕事前および仕事中の大麻の使用には問題が見られた。仕事前、仕事中にハイになってしまうと、集中力が途切れ、タスクの実行や問題解決の能力に影響を及ぼした。また、作業効率を下げる行動をとったり、同僚への手助けもできなくなったりもした。

アルコールが仕事に与える影響についての研究は幅広く行われており、データを比較してみると、終業後のアルコールの大量摂取は、生産性の低下、出勤率の低下、不適切な行動、同僚と良好な関係性が構築できないなど、あらゆる面でパフォーマンスに悪影響を及ぼすことが判明している。一方、大麻を吸った翌日には、使用者の挙動に過度にネガティブな変化は見られなかった。大麻よりも、アルコールの二日酔いの方がよっぽど害があるということだ。

国連の発表によれば、合法/非合法に関わらず、世界で1億5880万人ものひとびとが大麻を使用している。世界人口の3.8%だ。大麻にはストレス緩和の効果があり、1日の仕事で溜まったストレスを和らげるために好んで使われている。

ただ、大麻はいつどこで使っても安全だという訳ではない。今年3月に発表された別の研究では、長期的かつ大量の大麻の使用は、自動車運転時のパフォーマンスを低下させることがわかっている。大麻は自動車の死亡事故に関連した運転手の体内から検出された物質としてはアルコールに次いで2番目であり、これは憂慮すべき事実だ。

This article originally appeared on VICE Asia