EXTRA VICE〈GOLD or JUST A STONE〉リリース! FRED PERRY特集を同時公開

VICE MAGAZINEのOTHER ISSUE『EXTRA VICE』を、2019年4月19日リリースする。ここでは、そのリリースを機に、その1部を公開。フレッドペリーを特集した〈MY GENERATION FRED PERRY SHIRT〉の模様をお送りする。

2019年4月19日。約2年ぶりとなるフリーマガジン『EXTRA VICE』がリリースされた。今号は〈GOLD or JUST A STONE〉をタイトルに、〈ユースフルなマインド〉をテーマにした1冊。移りゆく社会に呼応するように、新たな価値観で生きる人々をクローズアップ。

通常のVICE MAGAZINE同様に、書店、レコードショップ、アートギャラリー、ホテル、そして今号で特集している全国のフレッドペリーのショップでも配布している。

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ここでは『EXTRA VICE』ない、フレッドペリーを特集した〈MY GENERATION FRED PERRY SHIRT〉を公開する。

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左からディラン・ウェラー、ハリソン・スワン、サフィヤ・カン、アリステア・ウォーターフィールド、LISACHRIS。Photo By Ikuro Suzuki

時代が変われど、国が変われど、なぜかユースから愛され続けるアイコニックなポロシャツがある。それは、現代においても変わらない。

そんな特異な現象を解剖すべく、創業の地、英国フレッドペリーにブランド理念を聞いた。
また、ロンドンと日本のユースをモデルに起用し、英国製ポロシャツのカラーウェイにフォーカスした〈Black/Champagne/Champagne〉キャンペーン。
ネオモッズのアイコンであり、〈The Jam〉のギターヴォーカル、〈THE STYLE COUNCIL〉のポール・ウェラーの娘である、ディラン・ウェラー。4ピースバンド、〈TALK SHOW〉のヴォーカルを務めるハリソン・スワン、〈ジョージ・コックス 〉のクリエイティブディレクター、アリステア・ウォーターフィールド。そして、EU離脱問題における反対派のアイコンとして、ブレグジット推進派に立ち向かう写真が著名な 、活動家サフィヤ・カン。そして日本からはLISACHRIS。

そんなキャンペーンに呼応するように、ここでは、LISACHRISをはじめ、日本でまだ見ぬ道を開拓しようとする、ユースフルなマインドを持つ8名の声を聞いた。

まずは、なぜフレッドペリーが、様々な時代のユースから愛され続けるのか?その謎を探るべく、英国フレッドペリーに話を聞いたインタビューを紹介する。

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なぜ、様々な世代のユースカルチャーと密接な関係を築いてこれたと思いますか?

フレッドペリーのポロシャツは、様々な英国カルチャーのユニフォームとなってきました。創業当時は、ご存知のようにテニスウェアを作っていました。ポロシャツ、ボンバージャケット、Vネックのセーターは、主にこの時期に生まれたものです。これらのアイテムを、いつの時代も変わらず作り続けてきたことが、普遍的なブランドとして受け入れられてきた大きな理由のひとつだと思います。1950年代より、我々のローレルマークが時代を超越し、各世代、各カルチャーのアイコニックな存在として認められてきたことは、何よりも誇りです。

フレッドペリーが、その時代ごとに、様々なカルチャーを先導してきたのですよね?

もちろん、スポーツ、カルチャーに根ざしたスタイルや音楽は、我々の大きな柱です。しかし、同時に誰にとっても〈真っ白なキャンバスでありたい〉。それこそが、変わらぬブランドのアティチュードなのです。我々のマインドは何も変わっていませんが、ありがたいことに、自らの価値観に従い、オリジナルな生き方を貫く人々によって愛され続けています。

昨今はテニスシーンとの繋がりが、日本にいるとそれほど感じられませんが?

今季よりマーガレット・ハウエルとのコラボレーションワークをスタートさせたのですが、このコレクションは、我々の初期のテニスウェアからインスピレーションを得ながら、彼女のデザインの特徴であるリラックス感のあるモダンな機能を、スポーツウェアのアイコンであるフレッドペリーのアイテムに注ぎ込んでいます。このように、新進気鋭のデザイナーやミュージシャンとともに手がけるクリエーションと同様、ユース世代のテニスシーンをサポートすることを目的とし、新たなテニスプレイヤーとともに何かを成し遂げたいと考えています。

マーガレット・ハウエルとのプロジェクトの話が出ましたが、 他にもコラボレーショ ンを積極的におこなっていますよね?

そうです。フレッドペリーと個人的な関係性を築いてきた多くの革新的なデザイナーやクリエイターとコラボレーションを手がけてきました。昨今の代表的なコラボレーションとして、アンダーグラウンド・サブカルチャーシーンのユニフォームから着想を得て、我々のポロシャツを再解釈し続けているベルギー出身のデザイナー、ラフ・シモンズとはプロジェクトを開始してから10年が経ちます。他にも、ニコラス・デイリー、アカネ ウツノミヤという、若く刺激的なデザイナーを迎えた、新たな試みをおこなうとともに、コム・デ・ギャルソンやGround Yなど、シーンを革新してきたデザイナーともプロジェクトを続けています我々のスタイルやアイデンティティーは、ブランドに共感を持ってくれる人々であれば、常に何かをともに成し遂げたいと考えています。

ブランドの根幹は完璧に守りながらも、様々なカルチャーやデザイナーを受け入れる姿勢、伝統と革新のバランスこそが、ジャンルや世代、時代を問わず愛されているということですね。では、現在のユース世代について質問です。 英国では、現在のサブカルチャーシーンは、過去のユースシーンと比べて、どのような特徴がありますか?

英国にも、まだまだサブカルチャーは存在しています。そして現在は、音楽やファッションなど、自分自身の趣味趣向にあったライフスタイルに没頭できる環境が整っています。そして、 ソーシャルメディアを通じて世界中のファンとつながりを共有することで、自分自身がそのカルチャーの一部になったような体験をしているのだと思います。

今回のキャンペーンでモデルになったサフィヤ・カンについて詳しく教えてください。

英国のイングランド防衛同盟という組織に、彼女が異論を唱えたのは有名な話です。スペシャルズのTシャツを着て、世界中の人々の注目を集めました。さらには、スペシャルズの目にもとまり、スペシャルズのニューアルバムにフィーチャーされています。サフィヤ・カンは、まさにユースを代表し、社会のために声をあげている。Black/Champagne/Champagneのキャンペーン、フレッドペリーのアンバサダーになってくれたことを誇りに思います。

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そして、ここからは〈SPEAK LIKE A CHILDー交錯する私と社会ー〉をテーマに、新たな価値観のもと生きる8名のファッションドキュメンタリー写真とインタビューをお送りする。

社会がカテゴライズしたジャンルをすり抜け、ただ心の赴くままに、子供のように振る舞い続けたものこそが、新たな何かを生み出すはずだ。大人にも、他人にも、理解できない物事を、自分のなかから掘り起こす。 純粋でもあれ。あざとくもあれ。

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Photo By Keisuke Nagoshi(Commune Ltd.,)

変わりゆく街の音
「僕が渋谷って街に対して抱いているイメージは、地面の下では腐った川がずっと流れてて、その上で延々と終わらない工事が行われてるっていう感じ。常に変形し増殖し続けてて、バクテリアのように振舞う無機物、みたいなグロテスクなイメージがあるんです。そういう環境のなかで生活することで、意識しなくても、それが作品に反映されていると思っています。何を周りから受け取って何を自分が返すのかみたいな、都市や環境との言語化しないコミュニケーションが、僕が音楽を作るときのひとつの方法なんです。なんとなく、空気感や世界観みたいなものを抽象的なまま受け取って、それを抽象的なまま処理して、最終的に音で表現する、みたいな感じです」(MARS89/ミュージシャン)

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Photo By Ikuro Suzuki

ジャンルからの脱出
「『ニルヴァーナのパクリだ』とか、こんなに言われるのかって正直思いました。たぶん自分たちが聴いてきた音楽の、その部分に近いところしか出せていなかったと思うんです。自分たちが伝えるのが下手だったなぁと。悔しさはそっちにあって、もっと広い範囲で、メンバー全員が持っているものを出せるようになったら、そこだけじゃない個性みたいなものをわかってもらえるのかなって。メンバー全員、性格も音楽の趣味も違いますし、その部分が以前は出せていなかったのかなと思います。例えば、私だったら岡村ちゃん(岡村靖幸)とか、BASE BALL BEARの関根史織さんのベースとかは、音楽を始めたキッカケになったくらいに大好きなんです。別に自分たちの核心が変わったわけではなくて、どこが出せるかって問題で。ようやく最近になって、そういうメンバー全員がバラバラの趣味だってことを活かして、表現できるようになってきた気がします」(松島早紀/ニトロデイ)

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Photo By Yusuke Yamatani

あれもこれももっと早く
「20歳の誕生日に初めてタトゥーをいれて、そっから塗装屋で働きながら金貯めて、ほんと中国製のほぼパチモンみたいな10万円セット『これで全部できまっせ』みたいなのが売ってるんですよ。それを買って、友達に彫り始めたって感じですね。そのあと、1年間カナダに行って、観光客を彫りまくるみたいに経験値を上げまくりました。それで帰ってきてから、すぐに1人でスタジオを借りて今に至ります。ただ、彫り師だけでは人生を終わらせたくない。それって無茶苦茶、勿体ないって思うんですよ。だから、オムライスのキッチンカーも週1回始めました。やったことがないことを、どれだけなくせる人生にするか。1回女になって生理を経験してみたいとか、妊娠したいとか、死んだらどうなるんだろうとか、変な話ですけど、いろいろやったもん勝ちみたいな感覚があるんですよね」(山田蓮/タトゥーイスト)

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Photo By Yuhki Touyama

私がジャンル
「最近名付けたんですけど〈ヒーリング・パンク〉。癒しと悪い音の融合みたいな、それを混ぜたとき、自分の音になるなって、いつも思ってます。普段も愛を助長するって言われている周波数を聴いてます。もともとDJをやっていたけど、続けていくうちに、喜びが…色々と情熱が…。このまま、これだけじゃ、ちょっとやってけないなぁと思ったんだよね。それで、今のアルバムを作ってるときにすごく変わっていって、歌っちゃおうみたいな。で、ライブやるならやっぱバンドでしょみたいな感じで、どんどん変わっていって…。実際やってみたら、各楽器をまとめてくからやばいです。そういうのはポジティブにしか考えてないというか、そうやって進んでいく感じが楽しくてしょうがない」(LISACHRIS/ミュージシャン)

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Photo By Miri Matsufuji

新たなジャンルを多くの人々へ
「中3のころ、YouTubeで初めてパルクールを知ったんですが、周りでやっている人もあんまりいなかったし、教わる場所も東京で月に1回集まりがあるくらいで。ただ、始めると体の知らないところを知れるという感覚が面白くて。パルクールって勘違いされがちなのが、例えば、A地点からB地点まで2メートル距離があって、そこを飛び越えることが目的ではなく、100回やったら100回、同じように飛び越えられるように、体の動きと技術、精神力を鍛えるのが目的なんです。当時は、パルクールのコミュニティーを作ってくれたかた、練習会を開く団体、教えるコーチはいたのですが、広める人間がいなかったんです。メディアに出て、先ほど話したようなパルクールについての根本的な話をする人や、パルクールの魅力を伝える人が、日本には存在しなかった。そこで、18歳のときにパルクールパフォーマーと名乗り始めて、YouTubeにアップし始めたんです。20歳になるちょっと前に、今の事務所、LDHのアーティストさんと共演させていただき、自分の活動を話す機会があって。そしたらHIROさんが『全力でバックアップするので』って言ってくださって。それによって、日本でより普及させる機会を与えてもらったとも思っています」(ZEN/パルクールアスリート)

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Photo By Kota Sake

遊びと競技
「スケートを始めた頃は、父と犬の散歩にプッシュでついて行ったりして、最初の1年ぐらいはそんな感じでした。その後楽しくて仕方なくなり、毎日父の仕事が終わるのを待ってスケートパークに連れて行ってもらってました。今でもそのときと変わらず、遊びの延長でやってる感覚だから〈競技だ〉とか考えたことも、思ったこともないし、日本のスケートシーンがどうだとかガールズスケーターみたいな括りとか意識したことは1度もない。どっちかっていうと、自分はスケートは根性勝負みたいな考えで、日本のガールズスケーターは誰もやってなかったハンドレールに突っ込んだり。もちろん最初はめちゃくちゃ怖いけど、イケるって自信があるから突っ込む。そうやって突っ込めるのも自分がやりたいと思ったことを優先してできるような家庭環境や、父の教えがあったから。修学旅行より大会を選んだり、自分が今何がしたくて優先するべきか常に考える癖がついていたからだと思う。そういう意味でも、ただ単純に自分が楽しいからやってる。それを沢山の人に伝えたいし、観てる人にもわかってもらえたらって思います」(西村詞音/スケートボーダー)

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Photo By Satomi Yamauchi

自分らしくあるための職業
「ブルックリンの古着屋で働いているときに、親父が他界して、この場所をどうしようかってなったときに、古着屋をやることにしたんです。ただ、普通の古着屋をやるのではなくて、楽器を演奏できて、コーヒーが飲めて、レコードが聴けて、ここにしかない1点もののリメイクを作って、そうやってみんなが集まれて話ができるような、そういうのが好きな奴らのコミュニティーになる空間を作りたかったんです。だから、SNSで100人に伝えるよりも、ここに立って誰かが来て話しているほうが楽しいし、来た人とジャムやったり、お客さんと友達みたいになったり、ここに来る1人に響くほうが楽しいなって。そういう生活を送れるのが1番の目的です」(伊藤雄大/古着屋オーナー)

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Photo By Nampei Akaki

デジタルで表現する感情
「僕は、レーザーの本質的なところ、ひとつの点が内部で高速に動かされている構造、その1点が直進していること、そして光自体の物理的な性質に興味があったんです。光は自身で自律的に動くことはできませんが、デジタル技術を用いれば、光の点の座標をひとつずつ指定して動かすことができ、この作品のように円を描くこともできます。そうやって、人間の生身では捉えられないものを、デジタル技術を使って身体拡張を表現しながら、誰が見ても心地いいもの、ずっと見ていられるものを作りたいです。海、波、木漏れ日を見て、普遍的にみんなが気持ち良いと思う感覚ってありますよね。そんな感情を抱く作品を作りたいです。僕も、単純に作品自体を、カワイイというか、いわゆる擬人化みたいな感覚はあって、例えば、ルンバが動いててカワイイなと思う感覚とか、人工物が動いたり振舞ったりしている状況を見て、生物的なものを感じるっていうこともあるかと思います。今後もデジタル技術を用いて、生命現象に対する普遍的な感覚について探求していきます」(藤元翔平/デジタルアーティスト)


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