Hirohisa Asahara
そこにいる死者──被災地の霊体験を聞きとり、記録する
「親しかった人の霊を見るということは、亡くなる前にふたりで暮らした時間の積み重ねと密接な関係があるのではないかと考えました。それで亡くなったおじいちゃんと信号で待っているおばあちゃんの人生を知りたくなりました。そういう取材も楽しいんじゃないかなと思ったんです」
沖縄戦の孤児 ひとり戦場をさまよった神谷洋子さん(当時7歳)の証言
「しばらく行くと川がありました。みんな水が欲しくて集まってきたんでしょう。何十名何百名という死体が浮いているんですよ。死体はみんな腐って膨れていました。水を飲みたい一心で這っていって何度も手で掬って飲みましたが、水には腐れた血が混ざっていました。それでも蛆だけよけて飲みました」
いまなお沖縄戦のトラウマに悩まされる老人たち 蟻塚先生の診察室からの報告
眠れない。死体の匂いがする。死んだ人の顔が見える。足の裏が熱い。寝ていると体を触られた感じがする。戦争の記憶が70年以上たった現在も沖縄のお年寄りの多くを苦しめている。生き残った自分を責め続けている人もいる。これで平和になったと言えるのか。どうしたら忌まわしい記憶から解放されるのか。沖縄と福島でトラウマ治療に取り組んでいる蟻塚亮二医師に話を聞いた。
30年間、殺人現場を歩き続けた男 酔いどれ事件記者、小林俊之の真情告白
「事件を起こす奴はだいたい飲んべえだから、写真を捜すにはスナックのママを口説くのが一番なので。飲み屋に行けば誰かしら関係者がいるんです」
反基地非暴力闘争の発火点 伊江島の親子反戦地主 平安山良有さんと良尚さんの証言
米軍基地への土地提供を拒み契約を拒否する地主がいる。「反戦地主」と呼ばれる人たちだ。1955年の米軍の接収に抗った伊江島の反戦地主たちの非暴力の闘いは、やがて沖縄全島の人々を奮い立たせ、島ぐるみ闘争へと発展した。沖縄戦と土地闘争の生き証人であり、現在も反戦地主として闘い続ける平安山良有さんと、息子で反戦地主の良尚さんにインタビューした。
指定暴力団に完全密着したドキュメンタリー『ヤクザと憲法』の衝撃vol.2
先日、ある出版社から筆者(御取引先様)のもとに「暴力団等排除に関する誓約書」という紙が送られてきた。暴力団員、準構成員その他これらに準ずる者に該当しないこと、これらの者と密接な関わりを有していないことを表明し保証せよ、とのこと。
指定暴力団に完全密着したドキュメンタリー『ヤクザと憲法』の衝撃 vol.1
『ヤクザと憲法』──。東海テレビの取材班が大阪の二代目東組二代目清勇会に密着。40分テープ500本におよぶ映像素材から72分に編集された本作は2015年3月30日夜に放映された。そこに描かれていたのは、生活者としてのヤクザたちのあまりにリアルな日常だった。
映画と不良。強制参加型反抗映画 『孤高の遠吠』を待ちながら vol.2 ユキヤ(赤池由稀也)インタビュー
「大人になったときに、みんなで観れば面白いんじゃねえの、酒のつまみにでもなったらいいや、みたいな感覚でした。でも、他の人が監督だったら絶対にやってなかったです。相棒の兄貴だったから」