movie

  • 『プレデター』は本当に駄作だったのか?

    大規模な予算を投じて製作された『プレデター』が公開されたのは、今から30年前。ニューヨークタイムズ紙は「恐ろしさと退屈さが交互に訪れ、驚く場面もほとんどない映画」と酷評し、ロサンゼルスタイムズ紙は「これまで大手スタジオで創られた映画の中でも最も空虚で、内容に乏しく、独創性のない脚本のひとつ」と批評していた。しかし時代は流れた。

  • 北朝鮮と日本を映画で結ぶ男

    北朝鮮の国家事業である映画は、建国以来、経済発展計画のいち部を占めている。そんな北朝鮮の映画事情を最も知るのが、映画プロデューサーの小林正夫氏。彼は、北朝鮮が製作する映画作品の日本での著作権及び頒布権を委任されている人物だ。根っからの映画人である小林氏に北朝鮮の知られざる映画事情を訊いた。

  • 未だ謎に包まれたブルース・リーのルーツ

    長いあいだ、ファンたちは「ブルースの母系祖父はドイツ人」との通説から、ブルース・リーのルーツの1/4はドイツにあり、と信じていた。しかし、現存する家系図によると、〈1/4ドイツ・ルーツ〉説は成立しない。国立公文書記録管理局に保管されている、ブルースの家族の査証に記載された母親の証言からも、それは明らかだ。

Advertisement
  • 〈本当のJ.T.リロイ〉ローラ・アルバート インタビュー

    米国の文壇に突如現れた天才少年作家ーその名はJ.T.リロイ。時代の寵児となった彼は、各界のセレブたちからも絶賛され、本人もスターダムにのし上がっていった。しかし実際にはJ.T.リロイは存在せず、その正体は40歳の女性だった。そんな衝撃の実話を映画化したドキュメンタリー『作家、本当のJ.T.リロイ』に合わせて、〈本当のJ.T.リロイ〉ローラ・アルバートが来日した。

  • SNSを武器に闘うジャーナリストたち 『ラッカは静かに虐殺されている』

    IS支配下にある故郷ラッカの惨状を撮影し、決死の覚悟で世界へ発信する、シリアの勇敢な市民ジャーナリスト集団〈RBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently)〉。彼らの活動に密着したドキュメンタリー作品『ラッカは静かに虐殺されている』が、現在公開されている。ドキュメンタリー作家でもある監督のマシュー・ハイネマンに話を訊いた。

  • 『海は燃えている』② ジャンフランコ・ロージ監督の映画観

    『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島』で、国際社会が抱える移民・難民問題を改めてわれわれに提示したジャンフランコ・ロージ監督。彼が撮らえ、表現する、アフリカからの移民、難民たちの欧州移住の窓口になったランペドゥーサ島の現実は、日々、新天地を求めて移民、難民が世界中から訪れる、ここ日本の現実と何ら変わらない。

Advertisement
  • パキスタンの歪んだ日常 ③ 世界最大の多国籍企業と闘い続ける男

    パキスタンで、大手多国籍企業が起こした粉ミルクによる乳幼児死亡事件。この衝撃の実話を元にした映画『汚れたミルク あるセールスマンの告発』が、日本で世界初公開される。この映画をより理解するためのシリーズ〈パキスタンの歪んだ日常〉。民族、宗教、貧困、政局、紛争、人口過多など様々な問題を抱える国をレポートする。最終回。

  • 『海は燃えている』① ジャンフランコ・ロージ監督が観た現実

    2016年2月のベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いたジャンフランコ・ロージ 監督の『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』は、イタリアのランペドゥーサ島と地中海を舞台にした迫真のドキュメンタリー映画だ。長閑に暮らす島民と、新天地を目指す移民が生みだすコントラストは、現実の不条理さを、あまりにも的確に表現している。

  • トランプ時代に観る『バトルランナー』

    この作品は、80年代の軽薄な音楽と、シュワルツェネッガー出演作品にありがちな、アクションヒーローの独善的なセリフで埋め尽くされている。しかし、公開当時は〈未来〉だった2017年を舞台に、生死を賭けたリアリティー番組しか娯楽のない、荒廃した米国が舞台の同作品を改めて観ると、非常に不安な気分になった。

Advertisement
  • 私たちの〈今〉を映す鬼才ファスビンダー『あやつり糸の世界』

    技術がつくりだす仮想現実のアイデアが、『ブレードランナー 』や『マトリックス』などのメインストリームで登場する数十年前、『あやつり糸の世界』が公開された。ドイツ人映像作家、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーによる、超大作SF叙事詩だ。

  • イギー・ポップとジム・ジャームッシュがお互い褒めちぎる

    イギー・ポップに直接頼まれ、ジム・ジャームッシュが8年がかりで制作したTHE STOOGESのドキュメンタリー映画『Gimme Danger』が遂に完成した。ふたりが出会ってから25年。一方が褒めれば、一方が照れる。ふたりは微笑ましいカップルのようだった。

  • スタンリー・キューブリックの 右腕として生きた30年間

    エミリオ・ダレッサンドロは、元F1ドライバーだが、1960年代後半からは、スタンリー・キューブリックのお抱え運転手になった。キューブリック監督の死後から、もうすぐ20年。家族のように接してきたダレッサンドロが、謎に包まれたキューブリックについて語る。